大切なものを忘れないうちに
頭がぼんやりして
まともな考えが浮かんでこない
申し訳ないな
今の私は人に厳しい
心が余裕をなくすと
なぜこんなにも世界にイラつくんだろう
思い通りになっても、ならなくても
どっちにも納得できない
もっと愉しくてスムーズな
そんな世界に私は存在していたのに
一気にすべての歯車がガタガタだ
ゆっくりとした時間
目覚まし時計に邪魔されない朝や
トーストした食パンに薄く塗るバターの香り
うたた寝しているうちに暮れている空や
コトコト煮込む夕飯の音
そういうもの全部を
どこかに忘れてきてしまった
私の昨日と今日、明日が
ぶつぶつと途切れ散っている
もう一度日々を繋ぎ直して
世界に光を取り戻して
私の日常を生き返らせたい
大切なものを忘れないうちに