いくつかの必要なものだけを詰め込んで
高速の列車に飛び乗ってしまいたい
行き先はどこでもよくて
ここではないどこか、に辿り着きたい
私の必要なものは例えば
いい匂いのボディクリームだったり
フワフワのペンケースだったりするけど
それらには固有の思い出が染み付いてなくて
新しい土地でも馴染めてしまうもの
忘れたいの
日常を
戻りたいの
いつかの私に
泣きたくなってから家に帰りたくて
恋しくなってから恋人に会いたいの
ルーチンワークのような日々は嫌い
毎日訪れる機械的な幸せも嫌い
見えない明日が好きなの
帰りたくない