泣いてしまえば良かったのだ
こぶしを握って
唇を震わせて
怒りと悲しみで肩が上がろうとも
何も気にせずに泣いてしまえば良かった
高ぶる感情を
不意に押し止める冷静さはなんだろう
喉から潰れるような嗚咽が漏れそうなのに
周りの気配を全力で感じ取れる能力
身も心も柔らかくなる液体に入って
プカプカ浮いてみたらどうだろう
小さなハミングと
差し障りない独り言
たまに思い出し笑いをして
うまくないクロールでもしよう
今の私に不要なものは無駄な緊張感
気持ちを緩めたら
涙なんて溢れるに決まってる
溢れさせよう