見上げたら晴れていた
あの日のことを突然思い出した
今まで一度も思い出さなかったのに
ざわめく風のように
鳴きすぎて枯れた小鳥の声のように
ふいに突然
私の心をノイズが襲って
苦しくなってから
心が緩んだ
もうあれはとおいとおい記憶
すっかり過去になったあの出来事は
今となっては心を緩めるほど過去のこと
あの頃の苦しみも悲しみも
私はこんな風に思い出すようになっていた
少しのノイズがいつの間にか
さわやかな風と小鳥のさえずりにさえ変わろうとしている
変わってしまう心を少し切なく思いながら
それでも私は
変わることをやめられないし
変わることで生き続けていけるのだと思う