忘れてほしいと泣きたくなる前に
どうかもう忘れてほしい
私のことは忘れてほしい
私の発言も、存在も、なかったことにしてくれて構わない
だんだんと指先が霞む
私の体が透明になる
そんな夢を見る
小さく縮こまって
必死に祈っているけど
私はいなくならないし、誰も忘れていない
私の存在が、私の発言が、私の意思、私の思いが
必要か不必要かに関わらず
今、存在してしまっている
忘れてほしいと泣きたくなる夜もあるけど
本当は本心でないことも分かっている
本当は
私がどんな存在でも、どんな発言をしても
どんな意思を持ち、思いを持っていても
私が怯える前に受け入れてほしいだけなんだ
怯えて、怖くて、忘れてほしいと
泣きたくなる前に